単語テストは半分取れるのに、教科書の英文になると読めない。原因は覚え方ではなく、詰まっている段階の見立てにあります。
中学生が覚える単語は約2200語。量ではなく段階で詰まっている
学習指導要領が変わり、中学卒業までに触れる単語は小学校分を含めて2200語から2500語ほどになりました。
以前の1200語前後と比べると、ほぼ倍の量です。
数字だけ見ると絶望的ですが、単語が入らない生徒の多くは量そのもので潰れているわけではありません。
「読めない」「意味が出ない」「書けない」のどれで止まっているかを分けないまま、全部を同じやり方で押しているだけです。
取材した学習塾の講師も、単語が入らない生徒に最初にやらせるのは暗記ではなく音読だと話していました。
ノートを何ページも埋めているのに点が動かない場合、原因はほぼここにあります。
詰まっている段階が違えば、やるべき作業も変わります。

毎日20個ノートに書いているんですが、次の週にはきれいに消えています。

その20個、書く前に声に出して読めますか。読めない単語は記憶に引っかからないんです。
「読める・意味が言える・書ける」の3段階に分けて考える
単語の習得は、3つの段階に分かれます。
自分がどの段階で止まっているかによって、同じ10分の使いみちが変わります。
| 段階 | できている状態 | 詰まったときの作業 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 読める | 単語を見て正しい音が出せる | 音声を聞いて3回まねる。長い語は音節で区切る | 1語につき10秒 |
| 第2段階 意味が言える | 英語を見て2秒で日本語が出る | 赤シートでテスト形式にして、1語1秒で回す | 20語で3分 |
| 第3段階 書ける | 日本語を見て正しいつづりが書ける | 見ないで書くテストを、落ちた単語だけに絞る | 落ちた語だけで5分 |
点数が伸びない生徒の多くは、第1段階を飛ばしていきなり第3段階に時間を使っています。
読めない単語をどれだけ書き写しても、記憶に残る形にはなりません。
自分がどこで止まっているかは、教科書の新出単語10個を声に出して読むだけで分かります。読めない語が3個以上あれば、第1段階まで戻ってください。
段階ごとに、やる作業を入れ替える
読めない段階 音を先に入れる
教科書の音声か辞書アプリの発音を流し、そのまま3回まねて声に出します。
長い単語は音のかたまりで区切ると口が回ります。
Februaryなら「Feb-ru-ary」と切って読むだけで、つづりの順番も一緒に入ってきます。
音と文字の対応にはフォニックスというルールがあり、初見の単語でもだいたいの音が予測できるようになります。
ここを飛ばすと、全部の単語を丸暗記で処理することになり、量が増えた時点で破綻します。
意味が出ない段階 赤シートで1語1秒
単語帳を眺める時間を、思い出す時間に置き換えます。
英語を見て日本語を答える、これを1語1秒のテンポで20語ぶん回します。
3秒考えて出ない語は、その場で答えを見て次へ進みます。
止まっている時間は記憶に効きません。
意味が2つ以上ある語は、教科書に出てきた意味だけを覚えます。
lookなら「見る」を先に固め、look forの「探す」は例文ごと後から足していきます。
最初から全部の意味を抱えると、1語あたりの回転が落ちて先へ進めなくなります。
書けない段階 落ちた単語だけを見ないで書く
全部の単語を書く必要はありません。
意味は言えるのにつづりが出ない語だけを抜き出して、見ないで書くテストにします。
写経のように写すのではなく、隠してから書くのが条件です。
書けない語には共通のクセがあり、多くは音とつづりがずれている語に集中します。
eight、night、becauseのような語をまとめて集め、その日はその5語だけを潰します。
1回で全部そろえようとせず、テストのたびに落ちた語を足していく形で構いません。
1日20語を3回まわす。語数と時間の決め方
語数は「新しく覚える数」ではなく「1日に回す数」で決めます。
20語を1回だけ丁寧に見るより、20語を3回まわしたほうが残ります。
- 1回目:音声を聞いて音読しながら意味を確認する(5分)
- 2回目:赤シートで英語から日本語を答える(3分)
- 3回目:落ちた語だけを日本語から英語で答える(2分)
合計10分で1セットです。
部活で遅くなった日は3回目だけに削って構いません。
1日の量を減らす日はあっても、ゼロの日を作らないほうが結果的に早く終わります。
3日後・1週間後・3週間後。戻る日を先に決めておく
人は覚えた内容の7割前後を、翌日には落とします。
だから「覚える日」より「戻る日」を先に決めておきます。
| 学習した日 | 戻る日 | やること | 時間 |
|---|---|---|---|
| 月曜に20語 | 木曜(3日後) | 落ちた語だけ英語から日本語 | 2分 |
| 月曜に20語 | 翌週の月曜 | 20語まとめて英語から日本語 | 3分 |
| 月曜に20語 | 3週間後の月曜 | 日本語を見て書けるか確認 | 5分 |
ノートの端に、その3つの日付を書いておくだけで運用できます。
間隔を空けて戻ると、脳がその単語を残す価値のある情報として扱い始めます。
翌日に詰めて2回やるより、3日空けて1回やるほうが結果が良くなるのはこのためです。
正直なところ、この方式には弱点があります。
3週目に入ると、当日ぶんの学習に加えて過去の復習が2セットから3セット重なります。
そこを越えられるかどうかが、続く子と続かない子の分かれ目です。

3週間後の予定まで自分で覚えていられる気がしません。

覚えなくていいんですよ。カレンダーの通知に入れてしまえば、その日に勝手に出てきます。
定期テスト前の単語と、高校入試で要る単語は別物
定期テストは範囲が決まっているので、教科書の新出単語を全部書ける状態にするのが最短です。
巻末の単語リストをそのままテスト用紙代わりに使えます。
入試は範囲が決まっていないので、出題頻度の順に並んだ市販の単語帳を1冊決めて回します。
2冊以上に手を出すと、どちらも半端なところで止まります。
入試用の単語帳は、意味が言えれば十分な語と、書けるまで必要な語が混ざっています。
公立入試は選択と読解が中心なので、まず意味が出る状態を全語ぶん作るほうが得点につながります。
つづりまで固めるのは、英作文が出る学校を受ける場合と、私立で語形変化を問われる場合です。
中学校で扱う語彙の量や範囲は、文部科学省が公開している資料で確認できます。
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みやぎさんみやぎさんのベストオンライン英会話の管理者であり外国語関連のライターです。資格勉強に英会話の先生や生徒からリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。特に学生向けの英語について執筆しています。

