単語は覚えたのに、長文になると急に読めなくなる。中学生の英語でいちばん多い悩みです。原因は勉強量ではなく、読む順番と復習のやり方にあることがほとんどです。長文が読めない理由と、テストで点になる読み方、1日20分の勉強法を順番に並べます。

単語テストは満点なのに、長文だけ点が取れない中学生は多いです。読み方を変えるだけで戻ってきます。
読めない原因は長文ではなく単語と文法

長文が読めない原因は、長文そのものではありません。ほとんどは単語か文法のどちらかが抜けています。学習塾のサイトが揃って最初に挙げているのも、この2つです。
逆に言うと、単語と文法がそろえば高校入試の長文はかなり読めます。入試問題は教科書に出てくる単語と文法で作られているからです。
読めない状態のまま長文の問題集を増やしても、点は変わりません。まず自分がどちらで止まっているかを先に決めてください。
単語は意味を1つだけ覚えて止まっている
runを「走る」とだけ覚えていると、run a company(会社を経営する)が出た瞬間に止まります。単語は1語ずつではなく、短い文ごと覚えるほうが定着します。
文部科学省の中学校学習指導要領(平成29年告示)では、中学校で扱う語を1,600〜1,800語程度としています。数が多いので、日本語訳の丸暗記だけでは追いつきません。
覚え方は、日本語を隠して英語を見る、意味が出なかった語に印を付ける、印の付いた語だけ翌日もう一度見る。この3つで回してください。
文法は不定詞と現在完了でつまずく
中2の後半から、不定詞、動名詞、比較、受動態、現在完了が続けて出てきます。この5つが弱いと、文の骨組みが取れずに読むのが止まります。
長文の問題集を買う前に、文法の復習を先に入れてください。文法問題集の1単元を、答えを見ずに解ける状態にしてから長文に戻ります。
長文は問題と本文を行き来して読む
本文を全部読んでから問題に取りかかるのは、時間の使い方として損です。先に設問を2つか3つ読んでから、本文を読み始めてください。
設問を見ておくと、どこを注意して読むかが決まります。本文を1回読み終わったときには、ほとんどの問題が片づいています。
読む順番はこの形にします。
- 設問を(1)から(3)くらいまで読む
- 本文を読み、下線部や空欄の1文先まで進む
- そこで対応する問題に答える
- 次の下線部や空欄まで読み進める
- 内容一致の問題は、読みながら仮の答えを付けておく
注釈も先に見ておきます。高校入試の長文には、注釈が10個から30個ほど付きます。名詞の注釈を見るだけで、何の話かおおよそつかめます。
登場人物が3人以上出る文章では、名前に印を付けてください。Aさんは四角、Bさんは丸、と自分でルールを決めておきます。誰が何をしたかを問う問題で、探し直す時間が減ります。

設問から読むだけで、本文を何度も読み返す時間が減りますよ。
意味のまとまりで区切ると速くなる
一語ずつ日本語に置き換えると、読む速さが半分以下になります。3語から5語のまとまりで、前から順に意味を取ってください。スラッシュリーディングと呼ばれる読み方です。
区切る場所は、接続詞、前置詞、カンマの前です。but、because、so、when、after、inの手前に線を入れます。
前から切って訳すと、後ろから戻って読む必要がなくなります。返り読みが減るぶん、読む速さが上がります。
段落の最初の1文にも印を付けてください。英語の文章は、1つの段落に1つの話題で書かれます。各段落の1文目を拾うだけで、全体の流れがつかめます。
代名詞が出てきたら、それが何を指すかを本文で確かめます。he、she、they、it、thatが対象です。ここがずれると、内容一致の問題をまとめて落とします。
同じ長文を3日かけて3回やり直す
長文は、解いて丸付けをして終わりでは力になりません。1題を3日かけて3回やり直すほうが、新しい5題を解くより点になります。上位に出てくる記事は、原因と読み方までは書いていても、復習の回数までは書いていません。
- 1日目 時間を測って解く。丸付けのあと、答えの根拠になった1文に線を引く
- 2日目 知らなかった単語と熟語を書き出す。そのうえで全文を5回音読する
- 3日目 日本語訳を見ずに、前から意味を取りながら5回音読する
2日目と3日目は、新しい問題を解きません。同じ文章を、意味が浮かぶ状態になるまで読み直します。
創賢塾のサイトでは、音読で英文を仕上げる方法が紹介されています。200語程度の英文を30本スラスラ読める状態にすると、公立高校入試レベルの初見の文章が読めるという説明です。
30本は多く感じますよね。週に1本でも、1年あれば40本を超えます。今週の1本から始めてください。
定期テストと実力テストでやることが違う
同じ長文でも、定期テストと実力テストでは準備が変わります。定期テストは教科書本文、実力テストは初見の問題集が中心です。ここを混ぜると、どちらも中途半端になります。
公立中学校の定期テストは、教科書の本文がそのまま長文問題に使われることが多いです。だから本文の和訳と音読を繰り返すだけで点が上がります。
| 場面 | 使う教材 | やること |
|---|---|---|
| 定期テスト | 教科書本文と学校ワーク | 本文の音読と和訳を3回ずつ |
| 実力テスト | 長文問題集 | 週1題を時間を測って解く |
| 入試直前 | 志望校の過去問 | 本番と同じ時間で通して解く |
定期テストでは取れるのに実力テストで落ちる場合は、初見の文章に慣れていないだけです。週に1題でよいので、知らない文章を時間を測って解いてください。
学校のワークは、テスト1週間前までに1周終わらせておきます。直前に急いで解くと、答えを写すだけで終わってしまいます。
25分の使い方を先に決めておく
公立高校入試の英語は、試験時間も配点も都道府県で違います。まず志望校の過去問を見て、長文に使える時間を自分で数えてください。
使える時間が25分なら、読む15分、解く8分、見直し2分のように先に分けます。配分を決めてから解くと、途中で読み飛ばすことが減ります。
いちばん時間を食うのは、知らない単語の前で止まることです。読めない語は飛ばして先へ進んでください。本当に難しい語なら、ほかの受験生も同じように読めていません。
見直しの2分は、内容一致の問題だけに使います。仮の答えを付けた選択肢を、本文の該当箇所と照らし合わせて確かめます。
今週から始める1日20分の進め方
ここまでの内容を、今週から始められる形にします。1日20分を、音読10分、単語5分、長文5分に分けてください。
- 音読10分 教科書の今の単元を、意味を思い浮かべながら読む
- 単語5分 学校の単語テストの範囲を、日本語を隠して確認する
- 長文5分 前に解いた長文を、前から意味を取りながら読み直す
毎日30分とれる人は、音読を20分に増やしてください。まとまった時間がとれない人は、音読10分だけでも毎日続くほうが結果につながります。
読む速さが変わるのは、点数が上がるより先です。テストの点に出るまで3か月ほどかかることもあるので、途中でやり方を変えないでください。
今日やることは1つだけです。教科書の今の単元を、10分だけ声に出して読んでみてください。

10分の音読を3週間続けると、教科書の文章が前から読めるようになります。
みやぎさんみやぎさんのベストオンライン英会話の管理者であり外国語関連のライターです。資格勉強に英会話の先生や生徒からリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。特に学生向けの英語について執筆しています。


