スキャン機能付きプリンターは、印刷と読み取りを1台でこなす複合機です。家庭で使う8機種を、置き場所と読み取りの使い勝手から比べました。
この記事で紹介するプリンター8選
| 順位 | 商品名 | 画像 | ポイント | 購入 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | エプソン EW-056A | ![]() |
1万円台で置き場所を選ばない | Amazon楽天 |
| 2位 | キヤノン PIXUS TS8930 | ![]() |
6色インクで写真もきれい | Amazon楽天 |
| 3位 | ブラザー DCP-J529N | ![]() |
4色独立で手が汚れない | Amazon楽天 |
| 4位 | ブラザー MFC-J7100CDW | ![]() |
A3が刷れてFAXも使える | Amazon楽天 |
| 5位 | キヤノン PIXUS XK140 | ![]() |
上位機ゆずりの写真画質 | Amazon楽天 |
| 6位 | エプソン EW-M638T | ![]() |
インク代が1枚1円以下 | Amazon楽天 |
| 7位 | キヤノン TS7630 | ![]() |
スマホ接続がQRコードだけ | Amazon楽天 |
| 8位 | ブラザー DCP-J929N-W | ![]() |
大容量インクで交換が減る | Amazon楽天 |

家庭用の複合機を扱う販売店に聞き取りをしてきました。今回はその内容をもとに、選ぶときに見る場所を順番に説明します。
スキャン付きプリンターとは? 単機能プリンターとの違い
スキャン付きプリンターは、印刷するプリンターと、紙を読み取ってデータにするスキャナーが1つの本体に入った機器です。複合機、あるいはオールインワンプリンターとも呼ばれます。
単機能プリンターとの違いは、上面にガラス面(フラットベッド)があるかどうかです。ここに紙を伏せて置き、ふたを閉めてボタンを押すと、PDFや画像としてパソコンやスマホに送られます。
家庭で使う場面は、子どもの学校のプリント、年末調整の書類、確定申告のレシート、保険の証券あたりが中心です。スキャナーを別に買うと置き場所が2つ必要になるので、家庭では1台にまとめたほうが場所も費用も収まります。
家庭用プリンターの選び方は7つの項目で決まります
家庭で使う複合機は、次の7項目を上から順に見ていけば絞り込めます。ここが決まると候補は3機種くらいまで減ります。
インク方式:写真も刷るなら染料、書類中心なら顔料
染料インクは紙にしみ込んで発色するタイプで、写真の色が濃く出ます。顔料インクは紙の表面で固まるタイプで、文字の輪郭がはっきりし、水に濡れてもにじみにくいです。
家庭用の上位機は、写真用の染料と文字用の顔料を混ぜた5色から6色構成が主流です。年賀状の写真も学校の提出書類も刷るなら、この混合タイプを選んでおくと迷いが減ります。
ランニングコスト:年100枚以下ならカートリッジ、月50枚超えならエコタンク
カートリッジ式は本体が安く、インクが1本1000円前後です。エコタンク式(ファーストタンク式)は本体が3万円台からと高い代わりに、ボトルのインクを注ぎ足すので1枚あたりの単価が10分の1近くまで下がります。
分かれ目は印刷量です。月に50枚を超えて刷る家庭なら、2年ほどでエコタンク式のほうが安くなります。年に数回しか使わないならカートリッジ式で十分です。
ADF:確定申告のレシートを連続で取り込むなら要ります
ADFは、上のトレイに紙を重ねて置くと自動で吸い込んで連続で読み取ってくれる装置です。20枚から50枚まとめてセットできます。
ガラス面だけの機種だと、1枚読むたびにふたを開けて紙を入れ替えることになります。10枚を超えると手間が急に増えるので、確定申告や自治会の資料をまとめて取り込む予定があるならADF付きを選んでください。
用紙サイズ:A4で足りるか、B4とA3まで刷るか
家庭用の主流はA4までです。A3対応機は本体の幅が45cmを超え、値段も2倍近くになります。
A3が要るのは、学校の掲示物、模造紙の下書き、図面、うちわ用の大きな写真あたりです。思い当たる用途がなければA4機で問題ありません。
スキャン解像度:書類は300dpi、写真は600dpi以上
書類をPDFにするだけなら300dpiで文字は読めます。プリントした写真をデータに戻したい場合は600dpi以上に上げてください。
ちなみに、解像度を上げるとファイルサイズも読み取り時間も増えます。全部を高解像度にすると、クラウドに上げるときに待たされます。
スマホ連携:パソコンを開かずに刷って読めるか
いまの家庭用機はほぼ全機種がWi-Fiに接続でき、専用アプリからスマホで直接刷れます。読み取ったデータをスマホに送る操作もアプリ側で完結します。
キヤノンの新しい機種は、本体に出るQRコードをスマホで読むだけで接続設定が終わります。設定でつまずきたくない人はここを見てください。
本体サイズ:棚に入れるなら奥行き35cm以下
家庭用A4機の本体は、おおむね幅37cm前後、奥行き34cmから40cmです。カラーボックスや本棚の棚板に置くなら、奥行き35cm以下の機種に絞ると収まります。
高さは、ふたを開けたときの寸法も見ておいてください。閉じた状態で入っても、ふたが開かない場所には置けません。

置き場所は最後ではなく最初に測っておくのがコツです。買ってから置けないと分かると、返品の送料だけで数千円かかります。
家庭用に選ぶスキャン付きプリンター おすすめ8選
売れ筋と口コミ、実際に自宅と実家で使った機種の使い勝手をあわせて順位を付けました。価格は1万円台から6万円台まで開きがあります。
第1位 エプソン A4インクジェット複合機 EW-056A カラリオ

自宅の仕事机の下に置いて3年ほど使っている機種です。価格は1万円台で、複合機としては一番下のクラスに入ります。
読み取りはガラス面だけでADFはありません。それでも学校のプリントを1枚PDFにする、といった使い方なら足ります。私の場合、月に読み取るのは10枚前後なので不便を感じたことはありません。
正直に書くと、印刷は速くありません。A4のカラー資料を10枚刷ると3分近くかかります。ただ、年に数回しか刷らない家庭なら、この価格差のほうが効きます。
エプソン プリンター A4インクジェット複合機 EW-056A カラリオ
1万円台で棚に入る家庭用の定番
第2位 キヤノン インクジェット複合機 PIXUS TS8930 WHITE

写真に強い染料と文字に強い顔料を組み合わせた6色ハイブリッドインクの機種です。L判写真を約10秒で刷れるので、年賀状シーズンの待ち時間が短くなります。
紙をセットするだけで幅を見分ける自動紙幅検知が付いていて、用紙サイズの設定ミスによる刷り直しが起きにくくなっています。スマホとの接続は本体のQRコードを読むだけです。
注意点は本体の大きさです。写真画質を優先した分だけ奥行きがあり、細い棚には収まりません。設置場所を測ってから選んでください。
キヤノン インクジェット複合機 PIXUS TS8930 WHITE
6色インクで写真も書類も1台で
第3位 ブラザー A4インクジェット複合機 DCP-J529N

以前、同じブラザーの4色独立カートリッジ機を使っていました。インクを1色ずつ交換できるので、黒だけ先になくなっても他の3色を捨てずに済みます。
カートリッジの形が指でつまみやすく、交換のときに手が汚れませんでした。この点は毎回のことなので、地味ですが効いてきます。
弱点は写真です。4色構成なので、L判写真の肌色は6色機に一歩ゆずります。書類が中心で写真はコンビニで刷る、という家庭向けの機種です。
ブラザー プリンター A4インクジェット複合機 DCP-J529N
4色独立で1色ずつ交換できる
第4位 ブラザー A3インクジェット複合機 MFC-J7100CDW

A3まで刷れて、FAXの送受信もできる複合機です。自治会やPTAの役員が回ってきた家庭で選ばれることが多い機種だと、販売店から聞きました。
全色が顔料インクなので、屋外に貼る掲示物でも雨でにじみにくいのが特長です。ADFも付いていて、資料をまとめて読み取れます。
家庭で普通に使うぶんには過剰です。A3とFAXの両方に用がある人だけが選ぶ機種と考えてください。
ブラザー プリンター A3インクジェット複合機 MFC-J7100CDW
A3の掲示物とFAXまでこなす
第5位 キヤノン インクジェット複合機 PIXUS XK140

PIXUSの上位シリーズにあたる機種で、6色ハイブリッドインクと自動両面印刷を持っています。黒を落ち着いた色合いに仕上げるので、モノクロ写真の階調が沈みません。
前面のトレイと背面の給紙口を使い分けられるので、普通紙と写真用紙を差し替えずに済みます。年賀状の時期に何度も紙を入れ替える作業がなくなります。
インク代は6色ぶんかかります。写真をあまり刷らない家庭だと、使い切る前にインクが固まる可能性があるので気をつけてください。
写真を多く刷る家庭向けの上位機
第6位 エプソン エコタンク A4カラーインクジェット複合機 EW-M638T

実家に置いたのがこのエコタンク機で、私も帰るたびに使っています。順位は6位ですが、印刷量が多い家庭に限れば、この記事で一番おすすめしたい機種です。
理由はインク代です。カートリッジ式だとA4カラー1枚あたり10円から15円かかりますが、エコタンク式はボトルからインクを注ぎ足す方式なので1枚1円を切ります。父が地域の会報を毎月200枚刷っているのですが、切り替えてから年間のインク代が2万円以上減りました。
読み取りの速さも見ておきたい点です。ADFに20枚重ねて置いて、A4モノクロなら1分ちょっとで読み終わります。ガラス面に1枚ずつ置いていた頃と比べると、作業時間が5分の1になりました。
本体価格は3万円台後半と高いですが、月50枚以上刷る家庭なら2年で元が取れます。逆に、年に数回しか刷らない家庭が買うと、本体価格の差を回収できません。ここだけは印刷量で判断してください。
エプソン エコタンク搭載 A4カラーインクジェット複合機 EW-M638T
1枚1円以下、たくさん刷る家庭に
第7位 キヤノン インクジェット複合機 TS7630 WHITE

本体に出るQRコードをスマホのカメラで読むだけで、Wi-Fiの接続設定が終わる機種です。ネットワークのパスワードを打ち込む作業がないので、設定でつまずく人が減ります。
自動両面印刷と5色インクを持ち、価格は2万円台に収まります。標準的な家庭の使い方なら、この機種で困る場面はほとんどありません。
ADFは付いていません。書類を10枚以上まとめて読み取る用途があるなら、6位のエコタンク機か4位のA3機を見てください。
QRコードだけで接続が終わる
第8位 ブラザー DCP-J929N-W インクジェット複合機

大容量インクカートリッジに対応した家庭用機です。1回の交換でモノクロ数千ページ刷れるので、インクを買いに走る回数が減ります。
レビューでは「棚に収まるサイズなのがありがたい」という声と、「前の機種のインクが使えないのが残念」という声の両方が出ていました。買い替えのときは、手持ちのインクが使い回せるかを型番で確かめてください。
写真の画質は4色ぶんです。文字と図が中心の使い方なら不足しません。
ブラザー DCP-J929N-W インクジェットプリンター複合機
大容量インクで交換の回数が減る
8機種を読み取りの使い勝手で並べた比較表
仕様と口コミ、それに設置したときの寸法をあわせて並べました。星が多いほど高い評価です。
| 順位 | 商品名 | 用紙 | インク方式 | レシートをまとめて取り込めるか | 棚に置ける大きさか | スマホだけで完結するか |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | エプソン EW-056A | A4 | カートリッジ4色 | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| 2位 | キヤノン PIXUS TS8930 | A4 | カートリッジ6色 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 3位 | ブラザー DCP-J529N | A4 | カートリッジ4色 | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 4位 | ブラザー MFC-J7100CDW | A3 | カートリッジ顔料4色 | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
| 5位 | キヤノン PIXUS XK140 | A4 | カートリッジ6色 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 6位 | エプソン EW-M638T | A4 | エコタンク4色 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
| 7位 | キヤノン TS7630 | A4 | カートリッジ5色 | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| 8位 | ブラザー DCP-J929N-W | A4 | 大容量カートリッジ4色 | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
メーカー3社の違いは、写真、速さ、インク代に出ます
エプソン:写真の色とエコタンク式の安さ
カラリオシリーズが家庭用の主力です。染料インクの発色が濃く、L判写真の緑や空の青がはっきり出ます。
エコタンク式のラインナップが他社より厚いのもエプソンの特長です。印刷量が多い家庭は、まずこのメーカーから見ると選択肢が広がります。
キヤノン:スマホ接続の分かりやすさと写真の速さ
PIXUSシリーズが家庭用です。QRコードで接続設定が終わる機能や、タッチパネルの並べ替えなど、設定まわりの分かりやすさで一歩先を行きます。
L判写真の印刷が約10秒と速く、枚数を刷る年賀状シーズンで差が出ます。
ブラザー:書類まわりの実務機能と本体の小ささ
DCPとMFCの2シリーズがあり、FAXや電話が付くのがMFCです。カラーインクが切れてもモノクロを続けられる機能や、LINEからの印刷など、書類まわりの実務的な機能が並びます。
本体を小さくまとめるのがうまく、棚に収まるサイズの機種が多いのもブラザーです。
買った日にやっておく設定は3つです
3 読み取りの標準解像度を300dpiにしておく。初期値が150dpiの機種があり、そのままだと文字がつぶれます
3番目は見落としがちです。取り込んだあとで文字が読めないと、もう一度紙を探すところからやり直しになります。

設置したその日に、家族全員のスマホをアプリにつないでおくのも忘れずに。あとから1台ずつ設定するほうが手間になります。
家庭用プリンターでよくある質問に答えます
スキャンしたデータはどこに保存されますか
機種の設定で選べます。パソコンのフォルダ、本体に挿したUSBメモリ、スマホのアプリ内、クラウドのいずれかです。
家庭で使うなら、スマホのアプリに送ってからクラウドへ上げる流れが早いです。パソコンを立ち上げる必要がありません。
使わない期間が長いとインクは固まりますか
固まります。インクジェット機は月に1回程度は電源を入れて数枚刷ると、ノズルの詰まりを防げます。
半年放置して詰まった場合は、本体のクリーニング機能を数回かけると戻ることが多いです。それでも直らないとメーカー修理になります。
本体が安い機種はインク代で損をしますか
刷る枚数によります。年に50枚程度なら、本体1万円台のカートリッジ機のほうが総額は安く収まります。
月に50枚を超えるとエコタンク機のほうが安くなり、その差は年を追うごとに開いていきます。
プリンターの寿命はどれくらいですか
家庭用のインクジェット機は、メーカーが目安として5年前後を示していることが多いです。廃インクを吸うパッドの容量で寿命が決まる機種もあり、その場合は印刷枚数で先に上限が来ます。
みやぎさん家庭の学習まわりとパソコン周辺機器を得意とする筆者です。家電量販店の担当者やメーカーへの取材とリサーチをもとに記事を書いています。今回は複合機を扱う販売店2社に、家庭向けの売れ筋と返品の多い理由を聞き取りしました。


