問題集のメリットは、覚えた知識を「取り出す」練習ができることです。教科書や参考書を読むのは知識を頭に入れる作業で、問題集を解くのは頭から出す作業です。テストで点が取れるかどうかは出す力で決まるので、読んだだけの勉強と、問題集を解いた勉強では、同じ時間でも結果に差が出ます。
予備校、塾、教材の出版社の記事を合わせて5本読み比べ、問題集のメリットを5つ、教科書準拠ワーク・一問一答・標準問題集・過去問・ドリルのタイプ別のメリット、デメリットと補い方、メリットを引き出す使い方の順に書きます。
問題集のメリット5つ
メリット1 知識を「取り出す」練習になる
人の記憶は、覚えることより思い出すことのほうが苦手です。問題を解いて思い出す作業を繰り返すと、思い出す道筋が太くなり、テストのときにも取り出せるようになります。これを「テスト効果」と呼び、同じ内容を読み返すより、問題として解くほうが記憶に残ることが実験で確かめられています。参考書を3回読むより、問題集を1回解いて解説を読むほうが、覚えている量が増えます。
メリット2 「分かったつもり」が見つかる
参考書を読んでいるときは、書いてある説明を追えるので分かった気になります。問題集で手が止まった場所が、本当は分かっていなかった場所です。読むだけの勉強では、自分がどこを分かっていないかが最後まで分かりません。問題集は、分かっていない場所を1問ごとに教えてくれる道具です。
メリット3 時間内に解く力が付く
テストには制限時間があります。知っていても、時間内に答えを書けなければ点になりません。問題集で時間を計って解くと、1問にかける時間の感覚、分からない問題を飛ばす判断、見直しに残す時間の配分が身に付きます。読む勉強だけでは、この力は付きません。
メリット4 覚える範囲が絞れる
教科書は全部の内容を同じ重さで書いていますが、問題集はテストに出る場所を選んで問題にしています。問題集を1冊解くと、単元の中で「出る場所」と「出ない場所」の区別が付き、覚え直す範囲を出る場所に絞れます。とくに教科書準拠のワークと過去問は、出る場所の選び方がテストに近いので、この効果が大きくなります。
メリット5 進み具合が目に見える
問題集は、解いたページ、○と×の数、2回目で○になった数が残ります。参考書を読む勉強は「何ページ読んだか」しか残らず、覚えたかどうかは分かりません。○×の数が変わっていくと、勉強した分だけ進んでいることが分かり、続ける理由になります。
【タイプ別】問題集のメリット。5つのタイプで違う
| タイプ | 一番のメリット | 向く場面 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| 教科書準拠ワーク | 学校のテストの範囲と順番が同じ | 定期テスト対策。中学生 | 1,300〜1,500円 |
| 一問一答 | 1問10秒。すき間時間で回数を重ねられる | 暗記科目。通学中 | 800〜1,300円 |
| 標準問題集 | 基礎から応用まで段階で並ぶ。解説が厚い | 受験の土台作り。高校生 | 1,000〜2,000円 |
| 過去問 | 本番と同じ形式・時間・難しさ | 受験の3〜6か月前から | 1,000〜3,000円 |
| ドリル | 同じ型を数で覚える。1日1枚で習慣になる | 計算・漢字。小学生 | 600〜1,000円 |
教科書準拠ワークのメリット
教科書の会社と単元の順番に合わせて作られたワークで、学校の定期テストの範囲がそのままページの範囲になります。テスト範囲の発表から当日までの1〜2週間で、どのページを解けばよいかが迷わず決まるのが一番のメリットです。学校で配られるワークと同じ出版社の物を選ぶと、問題の型もそろいます。
一問一答のメリット
1問が1行で、答えも1語か1文の問題集です。1問10秒で解けるので、通学の電車やテスト前の休み時間に開け、1日で100問、1週間で同じ問題を5回まわせます。暗記科目は回数がそのまま点になるので、回数を重ねやすい形が合います。文章で答える問題や計算の練習には向きません。
標準問題集のメリット
基礎、標準、応用と段階で問題が並び、解説が問題と同じか、それ以上の厚さで付いている問題集です。1冊を終えると、その科目の全範囲を一定の深さまで解いたことになります。解説が厚いので、分からなかった問題を自分で読んで直せるのがメリットで、塾に通わない人の受験勉強の中心になります。
過去問のメリット
実際に出た問題をそのまま載せた問題集で、形式、制限時間、難しさ、よく出る単元が本番と同じです。解くと「あと何点足りないか」「どの単元で落としているか」が具体的な数字で分かり、残りの期間で何をやるかが決まります。解説は薄い物が多いので、直しには標準問題集や参考書を横に置きます。
ドリルのメリット
計算や漢字など、同じ型の問題を数で覚えるための問題集です。1枚10分で終わる作りが多く、毎日1枚を続けると、考えなくても手が動く速さが付きます。小学生の勉強の習慣作りに向き、中学以上では計算の速さを戻したいときに使います。
問題集のデメリットと補い方
デメリット1 知らないことは解けない
問題集は知識を出す道具なので、入っていない知識は出せません。習っていない単元をいきなり問題集から始めると、全部×になって手が止まります。先に教科書か参考書でその単元を1回読み、それから問題集を解く順番にすると、×の理由が「知らない」から「使えない」に変わり、直しが進みます。
デメリット2 解説が薄いと直せない
答えだけ載っている問題集は、×の問題をどう直せばよいかが分かりません。買う前に解説のページを開き、途中の式や考え方が書いてあるかを見ます。過去問のように解説が薄い物は、参考書を横に置いて使います。
デメリット3 できる問題ばかり解いて満足する
○の問題を解き直すと気持ちはよいのですが、点は伸びません。2回目からは×の問題だけを解き、○が付いた問題はテスト直前の見直しに回します。できる問題に使う時間を減らすほど、同じ時間で伸びる量が増えます。
デメリット4 何冊も買って終わらない
問題集は1冊を3回まわしたときに効果が出ます。2冊を1回ずつより、1冊を3回のほうが覚える量が多くなります。本屋で新しい問題集を見ると欲しくなりますが、今の1冊の×が無くなるまでは買わない、と決めておきます。
メリットを引き出す問題集の使い方。○×と3日の間隔
- 先に教科書か参考書でその単元を1回読む。知識を入れてから出す
- 時間を計って、解説を見ずに解く。分からない問題は5分で飛ばす
- 自力で解けた問題に○、解けなかった問題に×を問題番号の横に書く。前回の印は消さず、横に足していく
- ×の問題は解説を読んで、なぜ間違えたかを1行書く。「公式を忘れた」「問題文を読み違えた」など
- 3日以上空けて、×の問題だけ解き直す。その日のうちに解き直して○が付いても、覚えたことにはならない
- ×が無くなるまで繰り返す。3回目で×が残る問題は、参考書でその単元を読み直す
大事なのは「解説を読んだ直後に解き直して○にしない」ことです。読んだ直後は誰でも解けます。3日空けて解けたときに、初めて○を付けます。この決まりで1冊をまわすと、テスト当日に取り出せる知識だけが○になって残ります。
問題集のメリットは「出す練習」。1冊を3回まわす
問題集のメリットは、知識を取り出す練習ができること、分かっていない場所が見つかること、時間内に解く力が付くこと、覚える範囲が絞れること、進み具合が見えることの5つです。定期テストなら教科書準拠ワーク、暗記科目なら一問一答、受験の土台なら標準問題集、本番前なら過去問と、目的でタイプを選び、1冊を○×で3回まわす。読むだけの勉強に問題集を1冊足すだけで、同じ時間の結果が変わります。
今の科目で、参考書は読んだのに点が伸びていないものはありませんか。その科目に、まず1冊だけ問題集を足してみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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