暗記ペンで塗ったページを赤シートで隠しても、思い出せる語句が増えない。そういうときは、ペンの性能ではなく塗る場所と量が合っていないことがほとんどです。
塗るのは太字と答えだけに絞り、赤シートで隠して3秒で答えを言う。この2つを守るだけで、同じ1時間で覚えられる量が変わります。
塗る場所の決め方と、透けるときの直し方、塗り間違いの消し方が分かれば、その日の勉強からそのまま使えます。
暗記ペンで覚えられないのは塗りすぎが原因
暗記ペンで覚えられない一番の原因は、塗りすぎて文の手がかりが消えていることです。語句も説明文も塗ってしまうと、赤シートをかぶせたときに何を聞かれているのか分からなくなります。
たとえば「労働者派遣では派遣先が労働者に指示を出せる」という文で、労働者派遣と派遣先と労働者と指示の4つを全部塗ると、残るのは「では」「が」「に」「を出せる」だけです。これでは穴埋めではなく、文そのものを思い出す作業になります。
思い出せないと、人は語句の位置や色で覚えようとします。ページの右上にあった、緑が長かった、という覚え方は、テスト用紙の上では役に立ちません。
1つの文で塗るのは1か所か2か所までにしてください。残した文が問題文の役をして、隠した語句を思い出す手がかりになります。
塗る用は緑で書く用はオレンジと分ける
暗記ペンには、印刷された文字の上から塗るタイプと、自分でノートに書くタイプの2種類があります。教科書や参考書には緑の塗るペン、ノートやワークの答えにはオレンジかピンクの書くペンと分けてください。
塗るペンは緑が基本です。赤シートをかぶせると緑の部分が黒くつぶれて、下の文字が見えなくなります。ピンクや青のマーカーもありますが、まず1本なら緑を選んでください。
書くペンはオレンジかピンクのボールペンやサインペンです。赤シートをかぶせると文字そのものが消えるので、ノートに答えを書き込んで穴埋め問題を自分で作れます。
ワークの答え合わせのときに、間違えた答えをオレンジで書き込んでおくと、そのページがそのまま復習用の問題になります。塗るペンと書くペンを1本ずつ筆箱に入れておけば、教科書とワークの両方に使えます。
| 項目 | 塗るペン | 書くペン |
|---|---|---|
| 使う相手 | 教科書と参考書 | ノートとワーク |
| 色 | 緑 | オレンジかピンク |
| 赤シートで | 塗った部分が黒くなる | 文字が消える |
| 向く場面 | 太字と重要語句 | 答えの書き込み |
塗るのは太字と答えだけにする
塗る場所は、教科書の太字と、ワークの答えの欄と、数学や理科の答えの3か所に決めてください。この3つがテストで聞かれる語句のほとんどを占めます。
太字以外で塗ってよいのは、年号や数字、人名のように、そこだけ聞かれると分かっている語句です。説明文の中の動詞や形容詞は塗らないでください。手がかりが消えます。
英単語と漢字は暗記ペンに向きません。単語帳や単語カードのほうが、覚えたものを外して残りだけを繰り返せます。暗記ペンは、文の中で語句を覚える科目に使ってください。
どこを塗ればいいか分からないときは、学校のワークの答えの欄と、先生が授業で板書した語句に絞ります。そこから外れる語句を塗るのは、2周目に回してください。
- 教科書の太字
- ワークの答えの欄
- 授業で板書された年号と数字と人名
この3つが終わってから、それ以外を考えます。
赤シートで3秒考えて出なければ答えを見る
塗り終えたら、赤シートをかぶせて隠した語句を声に出して言います。3秒考えて出てこなければ、すぐにシートを外して答えを見てください。考え込む時間は覚える時間になりません。
答えを見たら、その場でもう一度シートをかぶせて言い直します。これを1ページ分やってから次のページに進んでください。ページを行ったり来たりするより、1ページを2回通したほうが残ります。
言えなかった語句には、ページの端に小さく印を付けます。2周目からは印の付いた語句だけを隠せば、時間が半分で済みます。
数学と理科の答えは、丸暗記ではなく解き方ごと隠してください。答えの数字だけを塗ると、数字を変えられた問題で手が止まります。式の途中を塗って、そこを言えるかで確かめます。
- 隠した語句を声に出す
- 3秒出なければ答えを見る
- その場でもう一度隠して言う
- 言えなかった語句に印を付ける
透けるときは2度塗りとシートの2枚重ねで直る
赤シートをかぶせても文字がうっすら読めてしまうときは、同じ場所を2度塗りするか、赤シートを2枚重ねると隠れます。塾の先生が9本のペンを比べた検証でも、2度塗りが基本とされていました。
1度塗りで透けるのは、インクの色が薄いか、紙が白すぎるときです。1度目が乾いてから同じ向きでもう1度なぞると、ムラが出ずに濃くなります。
裏写りは、教科書の紙なら起きにくいです。薄いワークや両面印刷のプリントで裏に色が出るときは、ページの下に下敷きを1枚入れて、力を入れずに塗ってください。
新しめの暗記ペンは、塗ったあとの文字が読みやすい色に変わっています。古いペンで塗った部分が黒ずんで読めないときは、ペンを買い替えたほうが早いです。
塗り間違いは消しペンで消すかコピーに塗る
塗る場所を間違えたときは、消しペンが付いた暗記ペンで消すか、最初から教科書ではなくコピーに塗るの2つで対処できます。教科書に直接塗って後から困る人が多いところです。
消しペン付きは、塗った色を透明に戻すペンが同じ本体か同じセットに入っています。ただし消せるのは同じメーカーの専用インクだけで、他社のマーカーには効きません。
消しペンがないペンで塗ったときは、その語句はあきらめて、隣の行に同じ語句をオレンジで書き足す方法があります。書いた文字は赤シートで消えるので、塗り間違いの上から問題を作り直せます。
教科書を汚したくない人や、1回目でどこを塗るか決めきれない人は、テスト範囲のページをコピーして、コピーのほうに塗ってください。コピーなら塗り直しも捨てるのも自由です。
翌日と3日後と1週間後に同じページを隠す
塗って隠して1回言えただけでは、テストの日まで残りません。翌日と3日後と1週間後の3回、同じページを赤シートで隠し直すと、テスト当日まで持ちます。
2回目からは、印の付いた語句だけを隠せば十分です。1ページ2分で回れるので、テスト範囲が30ページでも1時間で1周できます。
3回目で言えた語句は、もう塗り直しも印も要りません。言えなかった語句だけを最後の1週間で毎日1回ずつ隠せば、残りは覚えられます。
塗るのは太字と答えだけ、隠したら3秒、言えなければ印を付けて翌日にもう一度。暗記ペンの使い方はこれだけで、あとはページを増やしていくだけです。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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