塾の自習室や図書館でタブレットの電池が切れて、勉強が途中で止まった経験はありませんか。モバイルバッテリーを買えば解決しますが、箱を開けたあとにどこにケーブルを挿すのか、どのくらい持つのかで迷う人が多いです。原因は、本体を充電することと機器を充電することの2つが混ざって見えることにあります。この2つを分けて覚えれば、初めての人でもその日から使えます。読み終わるころには、自分のタブレットや電子辞書に合う容量を選び、正しくつないで、危ない使い方を避けられるようになります。
モバイルバッテリーとは持ち歩ける充電用の電池
モバイルバッテリーとは、家で電気をためておき、コンセントのない場所でスマホやタブレットを充電するための持ち歩ける電池です。中身はリチウムイオン電池で、あらかじめためた電気をUSBケーブルで機器に送ります。携帯型充電器やパワーバンクと呼ぶこともありますが、同じものです。
電気をためる部分を電池セル、機器が受け取れる電気に整える部分を変換回路と呼びます。ここに温度や電圧を見張る保護機能が付いていて、熱くなりすぎたときは出力を止めます。だからといって、どんな使い方をしても安全になるわけではありません。
形は大きく3つです。ケーブルでつなぐ有線タイプ、置くだけで充電できるワイヤレスタイプ、コンセントのプラグが付いていて充電器と兼用できる一体型タイプ。勉強用のタブレットや電子辞書に使うなら、いちばん種類が多くて安い有線タイプで十分です。
電子辞書やワイヤレスイヤホンは、スマホより電池が小さいので、小さめのモバイルバッテリーでも何回も充電できます。逆にタブレットは電池が大きいので、容量と出力の両方を見て選ぶ必要があります。この違いは後の見出しで数字を出して書きます。
使い方は本体を充電してから機器につなぐ順番
買ってきたモバイルバッテリーは、中の電気が少ない状態で届きます。まず本体をコンセントで満タンにして、そのあとで機器をつなぐ、という順番だけ覚えてください。この順番を飛ばすと、自習室に着いてから残量ゼロで使えないことになります。
【本体の充電】INの表示があるポートに挿す
本体には電気を入れる口と出す口があります。入れる口には「INPUT」や「IN」、両方に使える口には「Input/Output」と書いてあります。この表示を探して、ケーブルの片方を本体へ、もう片方をコンセントに挿したUSB充電器へつなぎます。
USB-Cの口だから入力もできる、とは限りません。表示が見つからないときは、説明書かメーカーの商品ページで確かめてください。つないだらランプが点滅したり、残量の数字が増えたりすれば、充電が始まっています。
充電中は、布団やかばんの中に入れず、机の上のように硬くて平らな場所に置きます。ランプが全部点いたら、ケーブルを外して保管しましょう。つなぎっぱなしは電池に負担がかかります。
【機器の充電】OUTからタブレットや電子辞書へ
機器を充電するときは、「OUTPUT」や「OUT」の口にケーブルを挿し、反対側を機器に挿します。ケーブルは機器側の端子に合わせて選びます。タブレットや電子辞書の多くはUSB-C、少し前のiPadやiPhoneはLightningです。
挿しても充電が始まらないときは、本体のボタンを1回押してください。押すと出力が始まる製品が多いです。機器の画面に充電中のマークが出れば成功です。
本体を充電しながら機器にも電気を送るパススルー充電は、対応している製品だけの機能です。両用の口があるからといって使えるとは限らないので、説明書で確かめてから使いましょう。
【残量】ランプの数か画面の数字で見る
残量は、本体のボタンを押すとランプの数や画面の数字で分かります。ランプが4つなら、1つで25パーセントくらいの目安です。使わなくても電気は少しずつ減るので、週に1回はボタンを押して残量を見る習慣をつけてください。
ランプが1つになったら、その日のうちに充電します。ゼロのまま何週間も置くと、電池が空になりすぎて二度と充電できなくなることがあります。
容量は勉強用タブレットなら10000mAhで足りる
容量はmAh(ミリアンペアアワー)という単位で書いてあります。勉強用のタブレットを1日持たせるなら10000mAh、電子辞書やイヤホンだけなら5000mAhで足ります。数字が大きいほど長く使えますが、そのぶん重くなります。
注意したいのは、書いてある容量がそのまま機器に入るわけではないことです。電気を送るときにロスが出て、実際に使えるのは表示の65から70パーセントほどです。10000mAhなら、機器に入るのは6500から7000mAhと考えてください。
そんなに減るなら大きいのを買えばいい、と思いますよね。ただ20000mAhは本体が大きく重くなり、毎日かばんに入れて持ち歩くには負担になります。自習室に通う程度なら、10000mAhが重さと持ち時間の落としどころです。
| 容量 | 向いている使い方 | 充電できる回数の目安 |
|---|---|---|
| 5000mAh | 電子辞書、イヤホン、スマホの継ぎ足し | スマホ約1回 |
| 10000mAh | タブレットで1日勉強、日帰りの外出 | スマホ約2回、タブレット約1回 |
| 20000mAh | 泊まりの合宿、停電への備え | スマホ約4回、タブレット約2回 |
容量と一緒に見るのが出力で、W(ワット)で書いてあります。タブレットは電池が大きいので、出力が小さいと充電に時間がかかるか、充電が始まらないことがあります。タブレットに使うなら、USB PDという急速充電の規格に対応したものを選び、出力の数字はタブレットに付いてきた充電器と同じか上にしてください。
ワイヤレスイヤホンや電子辞書は小さな出力で足りるので、出力の数字は気にしなくて大丈夫です。迷ったら、自分の機器の説明書に書いてある充電器の出力を見て、それ以上のものにします。
【判断基準】買い替え時は容量が8割を切ったとき
モバイルバッテリーは充電と放電を繰り返すたびに少しずつ弱ります。満タンにしても前より早く減るようになり、ためられる電気が本来の8割を切ったら買い替えの時期です。回数で言うと、300回から500回の充電が目安です。
弱ってきたサインは4つあります。残量の減りが早い、本体の充電に前より時間がかかる、使っていると熱い、本体がふくらんでいる。この中で、ふくらみだけは待たずにすぐ使うのをやめてください。
ふくらんだ本体は、押したり、穴を開けたり、もう一度充電したりしてはいけません。中の電池が傷んでいて、発火につながることがあります。次の見出しに書く捨て方で処分します。
長く使うには、残量を20から80パーセントの間で使い、満タンのまま何日もつなぎっぱなしにしないことです。しばらく使わないときは、50パーセントくらい残して、涼しくて乾いた場所に置いておきます。
やってはいけない使い方は熱がこもる場所での充電
モバイルバッテリーの事故は、ほとんどが熱と傷みから起きます。いちばん避けたいのは、布団やかばんの中など熱がこもる場所で充電することです。読んだ記事のどれにも、同じ注意が書かれていました。
- 布団やソファ、かばんの中で充電する
- 夏の車の中や、日の当たる窓ぎわに置いたままにする
- 端子が曲がったケーブルや、被覆が裂けたケーブルを使う
- 対応を確かめずにパススルー充電をする
- 落としたり水にぬらしたりしたあと、そのまま使い続ける
- 残量ゼロのまま何か月も放置する
充電しながらタブレットで動画を見るのも避けたほうがいいです。充電の熱と機器の熱が重なって、両方が熱くなります。手で触って熱いと感じたら、いったん充電をやめてください。
買うときは、本体にPSEマークが付いているかを見ます。これは電気用品安全法の基準を満たした印で、モバイルバッテリーは丸いマークです。マークのない製品は国内で売れない決まりなので、販売元が分からないものや極端に安いものは避けましょう。
飛行機と学校への持ち込みは事前に確認
合宿や修学旅行で飛行機に乗るときは、モバイルバッテリーの扱いに決まりがあります。預ける荷物には入れられず、必ず機内に持ち込む荷物に入れます。容量にも上限があり、ワット時定格量(Wh)という数字で決まります。
Whは、電圧のV × 容量のmAh ÷ 1000 で計算します。10000mAhで3.7Vなら37Whです。多くの製品は本体か箱にWhが書いてあるので、計算しなくても確かめられます。上限の数字や持ち込める個数は航空会社と時期で変わるので、乗る前に必ず航空会社の案内を見てください。
学校や塾も同じです。持ち込みを禁止している学校もあれば、届け出れば使える学校もあります。校則や塾の決まりを確かめて、だめなときは登校前に満タンにしておく方法に切り替えましょう。
捨てるときは一般ごみに混ぜない
使い終わったモバイルバッテリーは、燃えるごみや燃えないごみに混ぜてはいけません。中のリチウムイオン電池がごみ収集車の中で発火することがあるので、自治体の決めた出し方で捨てます。
出し方は自治体で違い、危険ごみ、有害ごみ、小型家電、資源など区分の名前もそろっていません。お住まいの自治体のごみの案内で確かめてください。市役所や家電量販店にある回収ボックスに入れる方法もあります。
ふくらんだものは回収ボックスに入れず、自治体か販売元に相談します。そのまま使う人はいませんが、机の引き出しに入れたままにするのも危ないので、早めに手放してください。
ここまで読めば、本体を充電してから機器につなぐ順番、自分の機器に合う容量、避けたい使い方、持ち込みと捨て方まで分かったはずです。まず本体を満タンにして、タブレットにつないで充電中のマークが出るところまで試してみましょう。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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